「はぁ…っ、はぁ…っ!」
あれから、1時間以上は経っただろうか。いや、時間を止めているので、正確な時間経過はわからないのだが。とにかく、それほどまでに長い時間、女たちの匂いを嗅いでいた。
休む間もなく厭らしい匂いあてられていたせいで、僕の頭は沸騰しそうなほどにクラクラしていた。狭く、そして締め切られた更衣室は次第に酸素が薄くなり始め、まともな思考ができなくなっていく。
「くぅ…っ、我慢できねぇ…っ!」
それでも、僕の体は性欲に正直で、ズボンの中のペニスは既にガチガチに勃起してしまっていた。匂いを嗅ぐために、ここにいるほとんどの女たちの体操着や下着は既に脱がしてしまっている。つまり、この密室にいるのは裸の女たちと僕だけだ。興奮するなという方が無理な話だろう。
「もう、入れちまおう…っ、はぁ…はぁ…」
すっかり窮屈になっていたズボンを手早く下ろし、ペニスを取り出すと、勃起した陰茎はぶるりと勢いよく飛び出した。この更衣室が湿気ていたせいで気が付かなかったが、僕のペニスも下着が濡れるほどに先端から我慢汁を溢れさせていた。
「入れるぞ…っ!」
もう我慢ならない。どの女でもいい。近くにいた適当な女の膣を借りることにした。近くに立っていた女の腰を後ろから掴んで、陰部に陰茎の先端を擦りつけ、ゆっくりとその中へと押し込んでいく。
「お…っ、おほぉ…っ!」
ずぶぶ、ぬる…。時間を停止していれば、痛がることもない。好きに挿入してやろう。腰を突き出して押し付ければ、固くなった陰茎はゆっくりと女の腟内へと飲み込まれていく。
クラスメイトを犯すのは、何度目だろう。何ヶ月かもすれば、それぞれの膣の感触すらも覚えてしまうかもしれない。
「まだまだ犯してやるからな…っ!」
パンパンッ、パンッ!高ぶる興奮に合わせて、腰を打ち付ける。女のたわわな尻肉と僕の下半身がぶつかる音が心地いい。
「すぅぅ〜っ、すんすんっ、はぁ〜…」
側に立っていた別の女の脇に顔を近づけて、匂いを嗅ぎながらのピストン。こいつは脇毛を処理していない。1本1本に染み付いた匂いたちを楽しむ。むわりとした熱気を孕んでいて最高だ。
「おっ、おお…っ、ほぉ〜っ!」
普段は触ることすら許されない女たち。そんな女たちの臭い場所を嗅ぎながら、性行為をしている。相手にもされないはずなのに、そんな僕のペニスを受け入れてくれる哀れな女たち。
「お…っ、おぉ…ッ!出るぅ…ッ!」
びゅるるッ、びゅるッ!気がつけば、射精していた。ペニスを抜くのも忘れ、膣の中へ中出しをしてしまっていた。
「くぅぅ…っ!」
クラスメイトの女に無責任な中出し。背徳感に堪らなくなる。濃厚な精液が次々の女の中へ飛び出していく。
「これ、片付けないといけないな…」
時間を止めているからと言って、その間に僕がした行為が無かったことにはならない。脱がせた服や中に出した精子もそのままになってしまうのだ。中に出した精液も掻き出して片付けておかねば。匂いの方は…、更衣室に染み付いた匂いが強烈すぎるせいか、精子の匂いはほとんどわからないらしい。換気はしなくて大丈夫だろう。
「まあいいか」
今は楽しもう。後片付けのことは忘れて、僕は再び別の女を犯し始めていた。それから何人の膣を弄んだか覚えていない。とにかく、夢中で腰を振っていた。射精を終えるごとに萎んだ性器も、並び立つ女体を見ればすぐに元気を取り戻した。何度犯しても、足りない。睾丸は何度でも張り詰め、目の前の女たちを孕ませるために精液を作り続けていた。
「はぁはぁはぁ…」
興奮か疲労か、息の上がっている理由がわからなくなっていく。つい今しがた犯したばかりの女の膣口からは精液が溢れ出し、太腿へと伝っていた。ほかの女たちもそうだ。ここへ侵入した時と同じ格好、同じ表情をしているくせに、陰部からは厭らしく精液を零している。
「ふぅ…。今日はこのあたりにしておくか…」
体育の後にこれだけの運動をするなんて、正直、体力的にはかなりきつい。振り続けた腰は痛み、女の腰や脚を掴んでいた腕は痺れている。
その後、僕は後片付けをした。そのままにして反応を見るのも面白いのだが、20人相手にそんなことをするのはリスクが高すぎる。1人や2人が相手ならば、本人たちも勘違いだと思い込んでくれるかもしれないが。
とにかく、僕は精液を掻き出したり、拭き取ったりした。そして脱がせた下着を穿かせ、体操着を元通りに戻してやる。
「よし、これでいいよな」
更衣室を見渡し、最終確認。完璧に元に戻せたかはわからないが、多少のズレがあっても構わない。名残惜しいが、今日はこの辺にしておいてやろう。僕は女子更衣室を出た。
「…ふぅ。まあ、ここまで来れば大丈夫だろ」
時間を止めた時と同じく、人目のつかない場所へ移動し、時計のボタンを押し込む。カチリ。静寂に金属の大きな音が響いたかと思えば、その瞬間、いつもの喧騒が戻ってくる。
生徒たちが笑い合ったり、騒いだり。いつもの煩い日常だ。先ほどまでのことは夢だったのではないかと思えるほどに、相変わらずのいつもの光景。それでも、僕がやった事は本当なのだ。誰も気が付かないだけだ。
僕は何事も無かったかのように教室へ戻り、自分の席へ座った。そう、僕は男子更衣室から帰ってきただけだ。
「今日の体育疲れたよねぇ~」
10分もすれば、女たちがぞろぞろと教室へ戻ってきた。楽しげに話をしながら、騒ぎ立てる女たち。つい先ほどまで、お前らはその臭い匂いを僕に嗅がれていたんだ。僕とセックスしてたんだ。
「それでさぁ〜」
近くの席の女が僕の側を通る。漂ってきたのは、爽やかな制汗剤の香り。違うだろ。お前の匂いはこんなものじゃない。制汗剤で誤魔化す前の汗臭い香りを僕は嗅いだのだ。
「…何も知らないくせに」
まったく、哀れな女たちだ。次々に教室へ戻ってくる女たちを小さく鼻で笑い、口角を上げた。