【小説】時間停止の世界10話〜時間停止でバレーボール部員を堪能〜
「ほう…」 放課後。目の前に広がる壮観な光景に僕は思わず感嘆の息を漏らした。ただじぃっと眺めているだけで、自然と口角が上がってしまうほどの見事な情景。こんなにも素晴らしい光景を独り占めにできるなんて、つくづく僕は幸運の持…
「ほう…」 放課後。目の前に広がる壮観な光景に僕は思わず感嘆の息を漏らした。ただじぃっと眺めているだけで、自然と口角が上がってしまうほどの見事な情景。こんなにも素晴らしい光景を独り占めにできるなんて、つくづく僕は幸運の持…
「あー、皆さん。ここは大事ですよ~。ちゃんと聞いてくださいね~。ここは~、こうで…」 静かな教室に響く老年の女教師の声。そののんびりとした声は、狭苦しく敷き詰められた40近くの机と椅子に座らされた生徒たちに、緩やかに投げ…
「まだ着かないのか…」 狭苦しく多くの通勤通学者を乗せた電車が次のホームへ辿りつく。しかし、僕の降りるべき駅はまだらしい。僕の横に立っていた中高年の女は僕に肩をぶつけながら早足で出入口へ向かっていった。文句のひとつも言い…
「ふぅ…」 ようやくホームへと続く階段を上りきり、僕はひと息ついた。ようやく、とは言っても、たった数十段の階段なのだが、体力のない僕はすっかり息が上がってしまっていた。普段から運動をするわけでもないし、部活にも入っていな…
「キミは…、麻衣ちゃんだったよね?ぐふふ」 もちろん、ここまで来れば、妹の方も楽しませてもらう。あんなに魅力的で淫らだった姉を持つ妹だ。期待をしてもいいだろう。あ、そうだ。特に意味はないが、自己紹介でもしておこう。 「僕…
「はぁ~、やることねぇなぁ…」 今日は休日。何の変哲もない平和な日。普通の高校生は、部活に行ったり友達と遊んだりして過ごしているのだろうが、僕は部活もやっていないし、遊ぶ友人もいない。かと言って、明日提出する課題は終わら…
「はぁ…っ、はぁ…っ!」 あれから、1時間以上は経っただろうか。いや、時間を止めているので、正確な時間経過はわからないのだが。とにかく、それほどまでに長い時間、女たちの匂いを嗅いでいた。 休む間もなく厭らしい匂いあてられ…
「よぉーし!今日は終わり!解散だぞ!」 体育教師の無駄に大きな声。授業の終わりを告げるその挨拶が校庭中に響いたのを合図に、周りの男子生徒たちは嬉々として校舎へと走り出す。あぁ、うるさい。耳が痛い。昔からこういう熱血教師も…
「…ねぇ、酒井くん。さっさと課題、出してくれない?」 昼休み。特にすることも無く、ぼうっと外を眺めていたところに、話しかけてきた女がいた。僕みたいな地味な男が、女に話しかけられるなんて滅多にない事だ。突然のイベントに驚い…
「はぁ…。また今日から学校とか信じたくねぇよ…」 通学路を歩きながら深い溜息をついた。楽しかった休日が終わり、早くも月曜日が来てしまった。朝から憂鬱で頭が痛い。今日からまた5日間も学校に通い続けなければいけない。惨すぎる…